歌舞伎激評(演目別)

歌舞伎激評

はじめに

歌舞伎座8月納涼歌舞伎の第三部に行った。

先日京都祇園祭を見に行った際、買い求めた茶の能登上布を着ていくことにした。私は、歌舞伎座に行く時には、江戸時代の装いである和服を着ていくようにしている。歌舞伎を見るというのは、江戸時代にタイムスリップする事、と考えている私には、まず、装いから、江戸時代に入るのが、しきたりになっているのである。麻の足袋を履き、襦袢も麻にしようと思ったが、今年の三社祭で購入した麻のダボの上下を着用することにした。帯は、茶の麻の組紐のような帯でまとめ、夏物のパナマの草履にした。

 歌舞伎を観るという事は、私にとっては芸術鑑賞なんて、大それたものではなく、江戸時代を訪ねる時間潰しの一つである。150年ほど前になった江戸時代とは、どんな時代だったのか、大変興味があり、江戸時代に生きた人達の、考え方や、行動様式、風俗等が、今の時代と、どこが違い、また共通するところはどこなのか、歌舞伎を通して知りたいと言う知的欲求なのだ。だから、芸の部分に関しては、さほど重要だとは考えず、知的好奇心が満足されれば、それで十分だし、時には睡魔に襲われ、寝てしまうのも、楽しい時間潰しだと思うのである。

平成の歌舞伎は、歌舞伎座、新橋演舞場、国立劇場などで、大体観てきた。昭和のおしまいの頃から歌舞伎を観ているので、もう30年は歌舞伎を観続けた事になる。好きな役者も出来たし、好きな演目もできてきた。ただ、歌舞伎は、ストーリーを楽しむより、演じる役者を楽しむものだと、今、私は思っている。これから書いていく文章は、あくまで私の勝手な芝居評であって、私の備忘である。私の好みで、好き勝手なことを書いている。全体を見据えた劇評とは、全く違うので、平等性はない点は、お許しいただきたい。

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