令和3年8月20日(金) 『尾上松也の、挑む、赤胴鈴の助を見る』

チケットが取れず、諦めかけていた松也の赤胴鈴之助、後援会から電話がかかり、チケットを手配してくれて、無事観劇できた。劇場は、下北沢の本多劇場で、観客は、歌舞伎座とは違い、圧倒的に若者が多く、着物を着た女性が10人ほどいて、歌舞伎ファンだと思ったが、あとは、歌舞伎に程遠い若者だった。

松也の、自主公演、挑むの最終10回目の演目は、父譲りの赤胴鈴之助で、高校の同級生の生田真人を招いての芝居だった。芝居の筋は、父の仇を討ちに、鬼面城の乗り込むが、父の仇は、実は父が変身した人物だったという、意味がよくわかない物語だった。はっきりと言って、筋などは、どうでもよく、格好のいい松也を見に来ているのだから、大満足であった。見得を切ったところは、惚れ惚れとするほどいい男で、ため息が出る。現在の歌舞伎界で、二枚目の俳優と言うと、海老蔵、幸四郎を上げるが、私は松也が一番だと思う。愁いを込めた横顔がいい。もうこれ以上太らないで欲しい。これで、なお口跡が良くなれば、最高である。